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涼厨とは何か

厨房機器の最前線

飲食店に勤めた事がある人、接客・厨房問わずして共通しているのが『飲食店の厨房は暑い』という印象は拭えないでしょう。 当たり前のように見える一方で、この問題は様々なデメリットをはらんでいます。 例えばですが、調理スタッフが料理をしている最中、汗を流したとします。 豪炎のように漂うコンロに煽られて出て来る汗を拭うのすら忘れていたら、ふと汗が料理に入ってしまった、なんて考えたくはないものです。 入ってしまったことに気づかなければそのまま提供されてしまうと、空寒くなる話題ですが実際にありえるでしょう。

他にも、

  • 暑くて体調不良になった
  • 加熱されすぎて火傷を負った
  • 生ゴミのニオイが漂っている

などなどの問題が起こることも。 飲食店のクリンネスで何とかなる部分もありますが、やはり厨房の暑さだけは何とか解消してもらいたいところ。 空調を付けても変わらず、このままずっと暑い中で料理をしなければならないのか、なんて絶望に浸った人もいるでしょう。

近年になり、厨房革新が続く中で厨房機器にある変革がもたらされたのです。 それは『涼厨』と呼ばれ、飲食店を始めとした業務用厨房機器を設置している厨房を涼しくするシステムが、今密やかに話題となっています。

涼厨について

厨房機器といえば一般的な電化製品との違いは、その威力の強さが1つ上げられます。 ガスコンロにしても家庭用コンロでは出すことの出来ない強力な火力でしっかりとした火の通りを実現してくれます。 しかし火力が強い分、先程上げた厨房が暑くなる、火傷をするといった問題に出くわしてしまうのです。 飲食店なんだから当たり前と言われる人もいますが、健康あっての物種です。 安全安心に料理ができる仕組みの確立、そうしたことから開発されたのがこちらの『涼厨』です。

そもそもどうして厨房が暑くなるのか、その原因は『厨房機器から発せられる輻射熱』が大きな原因となっています。 飲食店の厨房には輻射熱対策として様々な燃焼排気する機構を搭載、空調も最大限するなどの取り組みが行われていました。 けれど結果として熱伝導率の高さが他の動作を圧倒してしまったのです。 そこで考えられたのが、問題となる輻射熱を抑える方法だったのです。

実現可能にしたのは

涼厨と呼ばれる厨房機器において最も重要とされたのが『燃焼排気を拡散させない集中排気する機構の開発』です。 この機構の構築に成功したことで、これまで輻射熱を抑える事が出来なかった機器から感じる体感温度もグッと下がり、厨房での作業も快適なものへと変わっていきました。 飲食店の厨房機器は電気系統のものも多く生産されていますが、断トツでガス製品が人気となっています。

そうしたニーズに答えるため、涼厨と呼ばれる調理スタッフが苦することない環境改善が図られたのです。

メリットとデメリット

涼厨を導入することで快適な厨房空間を演出できる、というのは飲食店としても大きな利点です。 また火力の強いガスを存分に使うことができる上、衛生面での管理が細やかに配慮できるようになるからです。 とはいえ、ただ良いことばかりではないのも事実、では涼厨のメリット・デメリットを抽出するとどのような点が浮き彫りになるのでしょう。 そちらについて少しまとめていきます。

涼厨のメリット

まずは涼厨のメリットについてですが、涼しくて快適な厨房に出来ることの他に、次のような利点が上げられます。

  • 輻射熱を抑える事が出来るので、厨房機器で火傷をする機会も減る
  • 涼しくなるため、空調機器などの使用を抑えられる
  • 以前までの機器との入れ替えがスムーズに行える
涼厨のデメリット

当然良いことがあれば、まだまだ課題となる点、デメリットも存在しています。 次のような点が主に考えられるデメリットです。

  • 生産され始めたばかりで、あまり中古市場に出回っていない
  • 新品での購入は投資がかさんでしまう
  • 厨房機器の少なさ
総評して

メリット・デメリットを総合してみれば分かるように、厨房で働く人間にとって涼厨ほど画期的なものはないと断言できます。 しかし同時に最新型過ぎるが故、導入する場合には新品での購入が余儀なくされてしまうのです。 生産されてからまだ日も経っていないため、現在までに中古市場でもあまり出回っていません。 そのため開業前のオーナーはもちろん、運営中のオーナーにとっても入れ替え時に投資がかさみ、店舗経営に差し支える恐れも出てきてしまうのです。

新しいものにありがちな問題が浮き出ている辺り、やはり課題はまだまだ多いのが難点でしょう。

今後の展開として

涼厨という理論が正式に採用され、現在は各厨房機器を生産しているメーカーもイチオシで開発に尽力しています。 これからの動き次第になりますが、更なる飛躍が期待できます。 そうすれば中古市場でも多く出回り、資金的な問題も改善されていくでしょう。

以前までの機器と比べても火力は変わらず、涼しくなると考えれば導入を検討する余地は十分あります。 あと数年、これだけの時間があれば各地の飲食店が涼厨になっている、なんてこともあるかもしれません。