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飲食店の喫煙について

概要

喫煙に対しての風当たりは益々激しさを増しています。 マナーをしっかりして、人様に迷惑をかけないのであれば煙草を吸うのは個人の自由でしょう。 ですがそうした対策を心がけても、煙草特有の煙を吸いたくないと感じる人は絶対数いるため融和することは不可能なのもまた事実。 それは『飲食店内における喫煙』についても例外ではありません。

ここ数十年の間で飲食店に対する価値観、そしてあり方は変容をきたしてきました。 中でも喫煙については全席でも煙草が吸える店舗もありましたが、今ではどんなにラインを下げても『分煙』がやっと。 煙草の煙で溢れているパチンコ店にすら、禁煙志向という考え方が広まっている程です。 そう考えてもらえれば、喫煙と食事の関係がある意味切り離せない人にとって、死活問題な条例が国会に提出されようとしています。

条例について

この条例については飲食店経営の根幹を左右する、と言っても過言ではないものです。 これは受動喫煙防止条例から繋がるもので、早ければ2019年には全国の飲食店全てに適用されることになると言われています。 そんな条例についてですが、こちら違反した際には『罰金最大50万円が科せられる』という重い罰となっています。

現在の飲食店では様々なタイプでの営業スタイルを取っています。

  • 1.完全禁煙
  • 2.エリア分煙
  • 3.全席喫煙

上記の3つになっていますが、全席喫煙の飲食店を探すのはかなり困難でしょう。

喫煙を可能としている飲食店には厨房機器としては『分煙機』を設置して対応しているところもあります。 けれど人によっては『吸う姿を見るのも無理』という人もいるため、そうした苦情を飲食店が受けることも度々あります。

飲食店の喫煙する姿は当たり前の光景でしたが、現在では嫌煙ブームによって世間からの逆風に喫煙者たちが晒されている状態なのです。

飲食店側としては

こうした世間の動きに対して飲食店側としてはどうなのか、というのも一つの指針。 煙草とセットがおなじみとも言える居酒屋においては経営難に窮する、そう思う人もいるでしょう。 ただ実際問題として、これら煙草に対する険悪なムード漂う時勢に開業しているとこうした動きも、仕方無しと捉えている人も多いのです。

とあるアンケートに寄りますと、居酒屋経営をしている店舗では条例に対しての営業方針転換に対して変更したくなかったと答えている割合は『61%超』となっています。 正直、残り4割が変更に対してさほど抵抗感がないという方が意外ではないでしょうか。 飲食店のジャンルによって大きく分かれるところですが、カフェや喫茶店では『30%以下』の経営者が変更したくないと答えているなど、受け取り方が全く異なっているのです。

世間のこうした動きを理解している、そう業界団体も納得しているつもりで入るものの、受け入れがたい条例案だと考えている意見も散見します。 特に中小の飲食店では尚の事対応が難しいのではと恐れられているほど。 本格的に可決・施行された暁には大幅な売上ダウンも危惧されている、そんな予感すら漂わせているという。

売上への影響

完全禁煙はさることながら、受動喫煙防止条例が施工された際に飲食店へそれほど大打撃とも言える影響を及ぼしたのでしょうか。 そちらの方も調べてみると、こちらも興味深い結果が出てきています。

変化なし減少増加
客数58.5%38.1%3.4%
売上56.5%40.8%2.7%
客単価74.1%23.1%2.7%

売上の減少に見舞われたのは『40.8%』と低くない数字を記録していますが、恐らく直接影響を受けたのは喫煙者に優しい飲食店だったと見受けられます。 それもそう、客単価こそ8割近い店舗で変わらないのに対して、客数と売上ではどちらも変化なしと答えた飲食店は『60%近く』になっています。 条例があっても以前と変わらずに営業できている店舗も多い事を考えると、経営に支障をきたしていない店舗では喫煙者と禁煙車に対する住み分けが配慮・実行されていた証ともとれます。

どちらのニーズにも応えられる、そんな店舗の場合ですと実際に売上への影響はそれほど大きくはないといえるようです。

喫煙に対する印象

さて、こんな飲食店を完全禁煙にしようとする世間の動きに対して、一般の方々はどのように受け止めているのでしょうか。 その結果は次のようになっています。

  • 賛成:64%
  • 反対:25%
  • どちらでもない:11%

全体的な数字で見ても、やはりこの条例案に関しては好意的に受け止めている人が多いようです。 また男女別に分けてみると、男性は『57%』の人が、女性は『71%』の人がそれぞれ完全禁煙に同調を示しています。

喫煙者・非喫煙者に関係なく

この数字だけで見ると吸っていない非喫煙者だけをピックアップしていると思われるでしょう。 では喫煙者と非喫煙者それぞれが完全禁煙に対してどう思っているかについても、まとめてみたところやはり興味深い結果が浮かび上がってくるのです。

賛成反対
喫煙者38%52%
非喫煙者72%18%

喫煙者の反対票はてっきり8割程度あると思った人もいるのではないでしょうか。 実際には喫煙者でも条例に対しておよそ半数の5割が反対で、むしろ容認できると感じている人は驚きの4割近い人が賛同を示しているのです。 喫煙者なのにどうして、そんな疑問が尽きないと思います。 喫煙者には喫煙者ならではのジレンマと煙草に対しての倫理や求め方にも多様性が見られるようです。

まとめ

喫煙者にとって、この飲食店を完全禁煙にする考えを本音で可決してほしくないと思っている議員の先生も多いと言われています。 ですが審議の段階に至った場合には、そうした私的欲求も抱えてはいられないと断腸の思いに晒されるという。

ある方は10坪以下の飲食店が完全禁煙になった場合には確実に潰れてしまう、だからこそ対策を立てるべきだと唱えています。 飲食店で煙草を吸う人が完全にいなくなる、そんな日が着々と近づいてきていると思うだけでも、昨今の飲食業界の変革は激しさを増していると言えるでしょう。