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日本人の国民食と言われるものの、値段が高くて中々食べられない寿司。 そんな寿司をお手頃価格かつ毎日通ってもいいとすら言われる飲食店、『回転寿司』も今では日本の飲食産業において大きな市場となっています。 そんな回転寿司を開業したいと考えて行動を起こしている人もいるでしょう。 回転寿司も開業すれば後はお客さんが入ってくるのを黙って待つだけだ、そう考えているかもしれません。 当然ですが、これで成功するほど甘い世界ではありません。
そも回転寿司を開業するにしても、出店する場所や地理、使用する食材や原価率をどのようにコントロールするかで売上は大きく変動してしまうのです。 そうした店を考慮しなければ、十分な利益を上げることも出来ません。 ではどのような点に気をつけて開業していけば良いのか、順を追ってご説明していきましょう。
回転寿司において『立地条件と客層』は深く関係しています。 無論他の飲食店も同様ですが、両極端のように見えて実は特徴を押さえているかどうか重要な点なのです。 まず軽く説明すると現在の回転寿司店は『繁華街タイプ』と『郊外店タイプ』の2つに分かれます。 駐車場の有無を始め、気にしておきたいことは多々あるものの、客層として見ると利用する人の流れが大きく異なっています。
具体的な違いとして、
繁華街か郊外かでこれだけ違いが出てきます。 加えて郊外店の場合は回転率を意識しない、大量注文が主流となっているので、店内のレイアウトもそうした志向で考えて作る必要があります。
また繁華街と郊外では提供しているメニューにも一工夫しています。 繁華街は回転率を意識しているため、酒類は提供しても最小限の種類にして、かつお寿司も手頃なものを中心に用意しているのです。 そうすることで回転率、つまりは長居するお客さんを減らすことにより売上アップを図るなど、経営の観点から考えていく必要があります。
対して郊外店の場合、自動車を使用して大人数の来店が基本となります。 基本的に食べる商品はどれも安価なものばかりですが、安いだけではない、品質も高いネタやその他のサイドメニューが豊富でなくてはなりません。 個人での独立をする場合、自身がどのタイプになるかは出店する店舗によって異なります。 ただどちらのケースになっても、基準を逸脱しない作りすることが最低条件であることを念頭に入れておきましょう。
回転寿司で必要になる厨房機器と言えば『寿司ロボット』です。 生産しているメーカーにより特徴は異なるものの、こちらも新品ではなく中古製品がリサイクルショップに出ていれば狙い目となっています。 さて、一口に寿司ロボットと言っても定番のネタだけを作るばかりではありません。 寿司ロボットにも、
といったように、軍艦巻きとのり巻きを製造する機器もあるのです。 回転寿司の殆どが最低2つ、多くて3つの寿司ロボットを利用して営業を行っています。
回転率、あるいは大量注文が求められる回転寿司では『いかに効率よく寿司を提供できるか』が成功の秘訣です。 郊外店であれば大量注文、それも店内とテイクアウトどちらにも対応できるようにしなければならないため、機材の導入も複数台必要となります。 団体で来れば合計30〜40カンをファミリーで食べるなんて光景も珍しくありません。
店舗展開は少し異なるものの、商品生産スピードについてはどちらも効率よく提供しないといけないという共通点があります。
回転寿司屋で必要になる厨房機器は、当然寿司ロボットだけではありません。 他には
といったものが必要になります。
他の飲食店と違うのが、店内全体に行き渡る『寿司コンベア』の存在です。 近年開発されているものには、コンベアに付随して『タッチパネル』が取り付けられたものもあります。 電子機器を利用しての注文が一般的な回転寿司において、コンベアに設置されたタッチパネル式モニターで注文するのが現在の主流となっています。
予算的な問題が大きく立ちはだかるので個人営業の場合、コンベアだけ用意して注文を別のスタイルにするのも一つの方法です。
回転寿司屋に必須となる許可書についてですが、こちらは『飲食店営業』を申請します。 深夜まで営業している店舗も若干はあるため、その場合には『深夜酒類提供飲食店』の届け出も必須になります。 深夜の営業に関してはお寿司ネタの鮮度を維持する問題などもあるため、0時前の営業に留めているところも多く見られます。
回転寿司にとって重要な食材の仕入れ、こちらも販路の開拓をする必要があります。 個人経営の場合、やはりその他の飲食店同様、業界での経験や人脈により構築される部分が大きく、それを頼ることになります。 寿司の食材仕入れはどうしても原価率が高騰しやすいものの、それに合い見合う高品質の寿司提供を行っているところも多い。 特にFC店に関しては『高品質かつ安価で手頃な寿司』をモットーとしているので、驚きの安さで美味しく食べられます。
基本は市場へ出向いて競り下ろすのがポイントなものの、魚介類の鮮度を目利き出来るだけの経験とノウハウを有している人間でなくてはなりません。 いかに鮮度の良い、そして品質の高い食材を大量に入荷して安価に提供できるかが回転寿司の食材仕入れにおけるポイントです。
回転寿司の開業において、個人営業の店舗の場合は業界での修行期間が必須となります。 ネタの仕入れから鮮度の目利き、そして店舗でのネタを捌く技術など、あらゆる意味で職人としての気質が求められます。 特に鮮度の高いお寿司を提供するためには、
原価率を抑えて仕入先を確保し、人件費を抑えて効率よく商品を生産・販売できるか
が店舗経営を大きく左右します。